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バイオハザードII アポカリプス』 (Resident Evil: Apocalypse) は、2004年にアメリカで制作されたホラーアクション映画。2002年に制作された映画『バイオハザード』(以降、『I』)の正式な続編である。

概要[]

原作ゲーム『バイオハザード3 LAST ESCAPE』(以降、『3』)とリンクしたストーリーとなっている。原作主人公の1人ジル・バレンタインやその仲間カルロス・オリヴェイラ、クリーチャーの追跡者(ネメシス)が登場しているが、共通しているのは名前のみで、設定には相違が見られる。

時系列的には『3』の後に当たる『バイオハザード CODE:Veronica』(以降、『CV』)からのオマージュも存在する。アンジェラとチャールズの親子の苗字は、同作に登場する敵のアルフレッドアレクシアの兄妹と同じ「アシュフォード(Ashford)」である。また、アンデッド(ゾンビ)の大群によってラクーンシティ警察署(以降、「R.P.D.」)の警官達やアンブレラ社特殊部隊(以降、「U.B.C.S.」)の隊員達が全滅していくシーンは『3』のオープニング映像、終盤におけるアリスのアクションシーンは『CV』のオープニング映像におけるクレア・レッドフィールドのそれと似た演出となっている(「ガラス越しに攻撃ヘリコプターから放たれた機銃の掃射を、走りながらかわす」や「手から落とした拳銃を、地面に着く直前に拾って発砲する」シーンなど)。

監督こそアレクサンダー・ウィットへ交代となったものの、主演のアリス役は『I』に引き続きミラ・ジョヴォヴィッチが務めた。作品の世界観や設定の一部を取り入れただけのオリジナルストーリーだった『I』とは違い、ゲームの主要人物を登場させるなど、ゲーム世界との融合が大きなテーマとなっているが、映画版の独自要素は強いままである。

なお、タイトルの『アポカリプス』は、『黙示録』の意味である。これはキリスト教の場合、アポカリプス=世界の破滅とイエス・キリストの再来を謳ったものであり、聖書からの出典である。

あらすじ[]

アンブレラ社の地下秘密研究所「ハイブ」でのバイオハザード発生から数日後、その真上にあるラクーンシティではアンデッド達が溢れ出し、壊滅状態になった。事件の隠蔽を図るアンブレラ社は、中央警備局(以降、「CSA」)やU.B.C.S.を派遣してラクーンシティを封鎖。U.B.C.S.隊長のカルロス・オリヴェイラは、ビル屋上でアンデッドに追われていた女性を助けるが、彼女は既にアンデッドに噛まれた後であり、絶望から飛び降り自殺してしまう。

一方、町に取り残された人々の中にはS.T.A.R.S.に所属するジル・バレンタインの姿があった。ジルは同僚の警官や一般市民を連れ、教会へ辿り着く。だが、その中には既に何匹ものリッカー達が待ち構えていた。何とか反撃を試みるものの、敏捷なそれらに翻弄されて絶体絶命の窮地を迎えた時、オートバイに乗った女性が教会のステンドグラスを割って飛び込んでくる。女性は背負っていた散弾銃を手にすると、素早い身のこなしで瞬時にリッカー達を殲滅してみせた。女性の名は、アリス・アバーナシー…ハイブから生還した1人であった。

その頃、町の外れに設けられたアンブレラ社の仮設テントでは、今回の事件の発端となったT-ウィルスを開発した博士チャールズ・アシュフォードノートパソコンを使って町のメインコンピュータの監視システムへ侵入し、一人娘アンジェラ・アシュフォードの姿を探していた。アンジェラはアンブレラ社によってここへ連行される最中に交通事故に遭い、行方不明となっていたのだ。「アンジェラを救うには、半身不随で車椅子による移動を余儀なくされている自分に代わって動ける生存者を探す必要がある」と考えたチャールズは、町中をさまようアリス達への接触を試みていた。

スタッフ[]

  • 監督 - アレクサンダー・ウィット
  • 製作 - ポール・W・S・アンダーソン、ジェレミー・ボルト、ドン・カーモディ
  • 製作総指揮 - ベルント・アイヒンガー、サミュエル・ハディダ、ヴィクター・ハディダ、ロバート・クルツァー
  • 脚本 - ポール・W・S・アンダーソン
  • 撮影 - クリスチャン・セバルトデレク・ロジャース
  • 編集 - エディ・ハミルトン
  • 音楽 - ジェフ・ダナ
  • 原案 - カプコンバイオハザード
  • ノヴェライズ本 - 角川ホラー文庫
  • 視覚効果 - ダブル・ネガティブ

キャスト[]

詳細はバイオハザードシリーズの登場人物やリンク先の個別項目を参照。日本語吹き替えについては、「ビデオ・DVD / テレビ地上波放送」で記述する。

アリス・アバーナシー
演 - ミラ・ジョヴォヴィッチ(日本語吹替:本田貴子 / 岡寛恵
本作の主人公。元アンブレラ社特殊工作員。前作でハイブを脱出後、研究員に拘束されてラクーンシティ病院へ運ばれる。そこで投与され続けたT-ウィルスを細胞レベルで取り込んだため、超人的な身体能力を得る。
ジル・バレンタイン
演 - シエンナ・ギロリー(日本語吹替:湯屋敦子 / 岡本麻弥
S.T.A.R.S.の隊員。物語開始前に無期限の停職処分を受けて自宅で待機していたが、アンデッドの出現を機に行動を開始。署内のアンデッドを一掃した後、町からの脱出を決意する。性格と口調は原作より強気で明け透け。デルタフォースでの訓練経験を持つため、身体能力は高い。
ジルの服装はゲーム版バイオハザード3内でのジルの服装をモデルにしている。
チャールズ・アシュフォード
演 - ジャレッド・ハリス(日本語吹替:石住昭彦 / 野島昭生
T-ウィルスを開発した科学者。娘のアンジェラを救うべく、アリス達と契約を交わす。
元はアンジェラの患っていた筋ジストロフィーの治療を目的としてT-ウィルスやT-ウィルス用ワクチンを開発したが、それはアンブレラ社に奪われ、生物兵器開発へ悪用されてしまう。基本的には良識的な人物だが、娘大事のあまりに周りが見えなくなってしまう面を持つ。
カルロス・オリヴェイラ
演 - オデッド・フェール(日本語吹替:寺杣昌紀 / 江原正士
U.B.C.S.の隊長。仲間と共にラクーンシティへ派遣されたが、部隊が壊滅してしまったため、脱出を目指す。南アメリカ出身で、デザートイーグルを2丁同時に射撃できるほど身体能力は高い。
原作とは違い、弱気な一面はまったく無く、悪化していく状況の中でも冷静に物事を見るなど非常に頼りになる性格。
アンジェラ・アシュフォード
演 - ソフィー・ヴァヴァサー(日本語吹替:三村ゆうな / 嶋村侑
チャールズの一人娘。かなりおしゃまな性格をしており、背伸びした言動が多い。チャールズの開発したT-ウィルスやT-ウィルス用ワクチンによって、筋ジストロフィーから回復した身である。アンブレラ社によってチャールズの元へ連行される途中に交通事故で運転手が死亡してしまい、再び学校に隠れていたところをアリス達に助けられる。
ティモシー・ケイン
演 - トーマス・クレッチマン(日本語吹替:田中秀幸 / 野沢那智
アンブレラ社のラクーンシティ隔離部隊指揮官及びCSA少佐。ネメシス計画およびラクーンシティ消毒に使用する核ミサイル発射を任されている。T-ウィルス感染者がゲートへ到達したことを確認すると、部下や一般市民がまだ残っているにもかかわらず即座にゲートを完全封鎖させるなど、性格は冷酷。一方で科学者でもあり、アイザックスとともにアリスにTウイルスを注入する実験に携わっていた。アリスの存在を確認すると、ネメシスを起動させて彼女と戦わせようと目論む。
ロイド・J・ウェルズ (L.J.)
演 - マイク・エップス(日本語吹替:江川央生 / 高木渉
R.P.D.にスリ容疑で捕まっていた男。ジルや生存者のS.T.A.R.S.隊員達に助けられた後、アリス達と共に行動する。
テリ・モラレス
演 - サンドリーヌ・ホルト(日本語吹替:金沢映子 / 雨蘭咲木子
ラクーンシティのテレビ番組『ラクーン7』のニュースキャスター。今回の事件の真相を求め、ビデオカメラを手にしながらアリス達と共に行動する。
ニコライ・ジノフェフ
演 - ザック・ウォード(日本語吹替:横堀悦夫 / 小山力也
U.B.C.S.の軍曹。カルロス、ユーリと共にラクーンシティからの脱出を目指す。
原作とは違い善人で、陽気な性格。カルロスとは良き友人関係である。
ユーリ・ロギーノワ
演 - ステファン・ヘイズ(日本語吹替:- / 斉藤次郎
U.B.C.S.の隊員。カルロス、ニコライと共に行動する。
ペイトン・ウェルズ
演 - ラズ・アドティ(日本語吹替:乃村健次 / 小杉十郎太
S.T.A.R.S.の隊員。ジルの上司であり、親交も深い。平常時は温厚かつ誠実だが、窮地へ追い込まれると感情的になる。
サミュエル・アイザックス
演 - イアン・グレン(日本語吹替:水内清光 / 大塚芳忠
アンブレラ社の実験開発を担当している博士。「アリス計画」を密かに進めていた。
マット・アディソン
演 - エリック・メビウス
アリスの回想映像に登場。ハイブ脱出後、研究員に拘束されてラクーンシティ病院へ運ばれ、ネメシスへ改造された。 

登場クリーチャー[]

詳細はバイオハザードシリーズ#登場クリーチャーや個別項目を参照。

アンデッド(ゾンビ)
T-ウィルスに感染した、ラクーンシティの市民達のなれの果て。最も本能的な欲求である「食欲」に突き動かされ、生き残っている市民達を次々と襲う。原作ゲームとは違い、子供やストリッパーなどのアンデッドも登場する。
ゾンビ犬
R.P.D.のドーベルマンが、T-ウィルスに二次感染してアンデッド化したもの。アンデッドと同じく「食欲」に突き動かされており、俊敏な動きで人を襲う。T-ウィルスを感染させられた『I』のケルベロスとは違い、偶然生まれた存在である。
リッカー
アンブレラ社が開発した生物兵器。人間の体組織に直接T-ウィルスを注入し、作り出された。名前の由来は、「舐める者」を意味する英単語「licker」。
追跡者(ネメシス)
演 - マシュー・G・テイラー
アンブレラ社が「ネメシス計画」において開発した強靭な人型生物兵器で、本作のボスクリーチャー。アンデッドとは違って知能が備わっており、アンブレラ社からの命令通りに動く(命令や反撃以外の命令は実行に移さず、作中で「Kills S.T.A.R.S.」と命令された際も、S.T.A.R.S.隊員達のすぐ横で愛銃を放棄したL.J.については非戦闘員と認識したため、攻撃しなかった)。また、『3』とは違ってタイラントに寄生虫ネメシスを寄生させたという設定ではない。高い俊敏性を持つ上、ロケットランチャーガトリングガンを易々と使いこなす。
素体にされたのは、『I』のラストでアリスと共に拘束されたマット。名前の由来は、ギリシア神話に登場する義憤の女神「ネメシス」である。

エピソード[]

ファイル:Toronto-cityhall.jpg

劇中に登場したトロント市庁舎

  • アリスがビルから垂直に駆け下りるシーンはデジタル合成と思われがちだが、実はワイヤーを1本だけ使用したミラ本人による実演である。また、アンブレラ社の研究所のロケ地には、トロント市庁舎のツインタワービルが使用されている。
  • カルロス達がアンブレラ社のヘリから投下されたネメシス用の装備を発見する直前にヘリに向かって手を振るシーンでは、背景の建物の少し手前に長髪の人物が立っており、画面外へ移動する。また、その直後も奥の方で右手に向かって歩いて行く男性が明確に写り込んでいる。
  • ミラは撮影の休憩中、フジテレビのテレビ番組『トリビアの泉』の取材を15分ほど受けていた。

書籍[]

バイオハザードII アポカリプス
著 - キース・デカンディード、訳 - 富永和子角川ホラー文庫、2004年) ISBN 978-4042943013

ギャラリー[]

外部リンク[]

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